北海道地域研究センターが地域の小学生に向けて「サイエンスラボ」を開催しました


札幌キャンパスの北海道地域研究センターでは1111日に、本キャンパス近隣の小学生を対象とした科学教室「サイエンスラボ」を初めて開催しました。本センターは、地域の自然環境や社会活動に関する学際的・先端的な研究を展開すると共に、地域経済の発展と地域活性化の担い手育成などを目的に活動しています。今回の催しは、本センターに所属する北夕紀准教授(生物学部海洋生物科学科)と木原稔教授(同)が、子どもたちに北海道周辺海域に来遊する鯨類について学び、関心を持ってもらおうと企画。「イルカの骨格と生きるしくみ」をテーマに、北准教授が本センターの助成を受けて取り組んでいる「観光への寄与を目的とした噴火湾に来遊するカマイルカの生態把握」研究の成果などを紹介しました。 

当日は、北准教授が北海道で見られるミンククジラやシャチ、ナガスクジラ、カマイルカ、イシイルカなどの鯨類を紹介。研究室で観測した知床半島のシャチや室蘭市・噴火湾のカマイルカの動画も交えて、その生態について解説し、「札幌からアクセスしやすい室蘭市の噴火湾では6月から8月にかけてカマイルカを観察できます。お父さん、お母さんに頼んで連れて行ってもらってください」と呼びかけると、子どもたちもさっそく付き添った保護者に「連れて行ってー!」と笑顔で頼んでいました。 

続いて、北准教授の研究室で作成したイルカの骨格標本を手に取りながら、さまざまな生き物との骨格の違いについて説明。頭骨の形状の違いから、エサの取り方といった生態に違いが出る要因を子どもたちにも分かりやすく解説しました。さらに、3Dプリンターを使った頭骨のモデル作りも実施。子どもたちを北准教授と木原教授に加え、海洋生物科学科の学生、大学院生物学研究科の大学院生計7名がサポートして、形を整えていきました。

参加した子どもたちからは、「イルカの骨は初めて触ったので少しドキドキしました」「外見に比べて骨が大きくて驚きました。サメにも興味があるので、北海道の海にいる生き物をもっと見に行きたい」といった感想が聞かれました。北准教授は、「大学ではオープンキャンパスなど受験生に対するキャンパス公開や学科の授業内容を紹介する機会がありますが、もっと年齢の低い小学生にも興味を持ってもらいたいと考え、研究成果の地域還元の一環として本イベントを実施しました。この機会に、陸地の自然環境が充実する札幌市南区に住む子どもたちにも、なかなか訪れにくい海に生息する生き物たちを“見たい”と思ってもらえたらうれしい」と話していました。